2008年02月26日
プレスガラスと粉引の剣先コップ
まわりに施された模様が剣の先に見えるから剣先。
日本では明治の頃から焼酎用に普及し始めたのだそう。
まだまだガラスが一般的でなかった当時、日常使いの量産品として
人工の押し型成型(プレスガラス)で作られていました。
当時は技術的に未熟な面が多く、ガラスの透明度がいまひとつで気泡が入ったり
温度が一定しないためにしわなどもできたそうです。
そんな人間臭い味わいを出すためにこの剣先コップ、わざわざ人工プレスガラスの工場でひとつづつ
手で作られるそうです。
そしてこの剣先コップを粉引でも作ってしまった倉敷意匠さん。
粉引は他の陶器と比べ吸水性が高く汚れがしみやすいという欠点があります。
粉引のよさはその欠点こそが魅力なんだそうです。
使い込むうちにどんどん育ち、風合いがでてくるのがたまらなく愛しい・・・そんな器です。
お酒を注いでも、花を生けても存在感がある。日常使いのためのコップ。
気泡もしわもしみもみんなまとめて味にしてしまう・・・そんな
「でん」と構えたコップです。
「お疲れ様」の一杯がより味わい深くなりますよ。
Posted by てのひら at 22:19│Comments(0)
│倉敷意匠分室のもの
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